声明文

安全保障関連法案の廃案を求める埼玉・大学人の会 声明文(緊急アピール)

「近代立憲民主主義の破壊に抗議し、安全保障関連法案の廃案を強く求めます」

私たちは、埼玉にゆかりのある大学関係者の有志です。

2015年5月、いわゆる「安全保障関連法案」が国会に提出され、同7月に衆議院特別委員会および本会議において強行採決されました。本法案と日本国憲法第9条に関する政府解釈の変更によって、安倍晋三政権は、集団的自衛権行使を容認し、自衛隊による海外での武力行使へと途をひらき、「戦争する国」への一歩を進めようとしています。

しかし、安倍政権による憲法第9条の政府解釈の変更は、従来の解釈の基本的な論理の枠内でも、砂川事件最高裁判決でも到底正当化できるものではなく、まったく説得力を欠くものです。また、安全保障関連法案は、「集団的自衛権」という名の「他衛権=武力」の行使や外国軍隊への「後方支援」という名の兵站(logistics)を歯止めなく認める点などで憲法第9条に違反することは明白であり、これは衆議院憲法審査会において3名の憲法学者が違憲と証言したことや、マスコミによるアンケート調査などで圧倒的多数の憲法学者が違憲と表明したことからも明らかです。

戦後70年培ってきた平和国家を放棄する同法案と現政権の態度は、すでに東アジアや世界に政治的緊張を強いており、政権が国民生活を率先して危険にさらしています。また、全国各地で発せられる多くの市民の強い反対や懸念の声にも耳を傾けず、民主主義をも軽く見ています。

さらに、これまで大学は、研究と教育において、隣国からの学生を相互に受け入れ、学術活動において協力関係を築く努力をしてきました。一方、安倍政権は、仮想敵国を一方的に想定してその脅威をあおることで同法案を成立させようとしています。こうした態度は、これまで私達が隣国と築いてきた対話と信頼関係をも無にするものであり、容認できません。

このような現政権の態度は、学問と良識を無視し、近代立憲民主主義という日本国憲法が前提にする基本的な政治のあり方を破壊するものです。日本国憲法の下では、政治は、個人の尊重を基本理念に憲法の枠内で民意を反映するように行われなければなりません。

かつて大学教員は、戦争協力をせざるをえず、学徒を戦地へ送り出しました。日本国憲法の平和主義は、こうした痛恨の歴史の反省の上で守らなければなりません。過去の忘却とともに失われようとしている平和主義を守るため、私達、安全保障関連法案の廃案を求める埼玉・大学人の会は、現在、国会で審議中の安全保障関連法案の廃案を強く求めます。

2015年8月30日

呼びかけ人(50音順)

石川 裕一郎(聖学院大学政治経済学部)

石塚 正英(東京電機大学理工学部)

大田 堯(東京大学名誉教授、都留文科大学名誉教授)

関 由起子(埼玉大学教育学部)

高橋 哲(埼玉大学教育学部)

瀧澤 利行(茨城大学教育学部)

中川 律(埼玉大学教育学部)

七木田 文彦(埼玉大学教育学部)

成嶋 隆(獨協大学法学部)

野中 進(埼玉大学教養学部)

野村 武司(獨協大学法科大学院)

東島 誠 (聖学院大学人文学部)

福島 賢二(埼玉大学教育学部)

藤田 昌士(元立教大学教授)

堀田 香織(埼玉大学教育学部)

三輪 隆(埼玉大学教育学部名誉教授)

山田 恵吾(埼玉大学教育学部)

山本 良(埼玉大学教養学部)

結城 剛志(埼玉大学経済学部)

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